紙のソムリエ

複写に便利な定番用紙『感圧紙』

紙のソムリエ

筆圧で複写できる便利な用紙「感圧紙」

見積書や納品書、請求書など、その場で複写が必要な伝票類 に欠かせないのが「感圧紙」です。
カーボン紙を挟まずに複写できるため、作業性が高く、業務現場では長年定番として使われてきました。

この記事では、感圧紙とは何か という基本から、感圧紙とプリンターの関係富士フィルム製感圧紙の特長 までを整理してご紹介します。

感圧紙とは、紙に加わる圧力によって発色し、下の紙へ内容を複写できる特殊紙のことです。

  • カーボン紙が不要

  • 筆圧・印字圧で自動的に複写

  • 手書き・印字どちらにも対応

  • 伝票・帳票用途に最適

一般的には「ノーカーボン紙」とも呼ばれ、複数枚を重ねて使用することで、同じ内容を同時に記録できます。

感圧紙の仕組み

感圧紙の上用紙・中用紙(A・B紙)の裏面に塗布されたマイクロカプセルの中には、油に溶かされた無色の染料が入っています。
この染料が中・下用紙(B・C紙)の表面に塗布された顕色剤と反応することにより、瞬時に安定した発色が得られます。

上用紙・下用紙(A・C紙)をご使用になられずに、中用紙(B紙)のみを重ねた組合せでも発色します。 

感圧紙とプリンターの関係

最近では感圧紙40番手まで対応可能なプロダクションプリンターも登場しています。

  • 感圧紙40番手でも安定した給紙・印字が可能

  • 高速出力による業務効率の向上

  • オンデマンド印刷で小ロット対応がしやすい

  • 伝票・帳票の内製化が可能に

これにより、感圧紙 × デジタル印刷 という新しい運用スタイルが現実的になりつつあります。

ただし、すべてのプリンターが対応しているわけではないため、
使用の際は プリンターの対応番手・メーカー推奨条件の確認が必須 です。

感圧紙 富士フィルムの特長

感圧紙 富士フィルム製 は、安定した発色性能と品質の高さで知られています。

  • 発色が均一で文字が読みやすい

  • 保存性が高く、記録が残りやすい

  • 複写ムラが出にくい

  • 業務用途での信頼性が高い

長期保管が必要な帳票や、正確性が求められる業務伝票に多く採用されています。
立川紙業(紙もっと!)では富士フィルム製の感圧紙を皆様へお届けしております。 

セット糊とは?

セット糊とは、複写伝票の 片側(主に天側)を糊で固めて綴じる加工方法 のことです。

  • 用紙をバラけさせずに管理できる

  • 使用時に1枚ずつきれいに切り離せる

  • 伝票として扱いやすい

  • 納品書・請求書・控え伝票に最適

感圧紙の特性を活かすうえで、
非常に相性の良い仕上げ方法 と言えます。

株式会社立川紙業
五十嵐 広治(いがらし こうじ)

日本洋紙板紙卸商業組合 認定「紙営業士」
株式会社立川紙業/ECサイト「紙もっと!」管理人

紙とともに育ち、紙を愛し、紙の魅力を伝えることを仕事にしています。現在は、株式会社立川紙業にて以下を中心に活動中

・ECサイト「紙もっと!」の企画・運営
・コーポレートサイト/ブログの制作・更新
・InstagramやyoutubeなどSNS運用による情報発信

全国の印刷会社・デザイナー・個人ユーザーに向けて
紙の楽しさ・奥深さを日々発信しています。

Top